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2008.12.31

第7章 (4)外国人監督に気をつけろ

 なんと、4月以来とまってました「The Italian Job」抄訳の続きです。すんません。
 これまでの記事は、カテゴリの「The Italian Job抄訳」からどうぞ。

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  1. 2004?05にベンフィカの監督を勤め、11年ぶりのリーグ優勝に導くが、「家族の近くにいたい」という理由で1年で辞任。シュトゥットガルトの監督になる [back]
2008.04.22

第7章 (3)What Makes a Good Manager? その3

 前回分はこちら

 モウリーニョのコメント。

人に意見を聞く時は、自分の意見を言う前に相手から聞くようにしている。
これはリーダーとしては当然のことである。なぜなら、自分が先に意見を言ってしまうと相手に影響を与えてしまうからである。
率直な意見を聞きたいのであれば、それは避けなければならない。

こういうケースはたくさんあったが、そのたびに私は無意識のうちにそうしてきた。
最近コリン・パウエルの書いた本を読んだのだが、彼も同じことをしていることがわかった。パウエルによると、これができるのは良いリーダーの証拠だそうである。

 モウリーニョが優れているのは、スタメンクラスでない選手に対する接し方である。
 ここで重要な点は2つ。1つ目は、自分を正当化しないこと。言い訳をし始めたら、自分の立場は悪くなっていく。もう1つは、選手たちになぜ自分がスタメンなのか、もしくはベンチスタートなのかを理解させることである。

 もちろん、シェフチェンコやアンリがスタメンで自分がベンチスタートとなった場合、どうしてなんだと文句を言う選手はいないだろう。しかし、話はいつもそうわかりやすいものとは限らない。なぜ最初から起用されずベンチにいる必要があるのかを選手に納得させることは、監督にとって重大な意味がある。
 毎日喜んでトレーニングだけやって、給料をもらって、それがたとえ半年に1回の出番であってもいつ呼ばれても完璧なように準備しておく選手…そんなのは夢物語の中だけの話である。サッカー選手は人間であり、サッカーをプレイできるキャリアは短い。それだけに、みんなが試合に出たいのである。彼らをみな満足させ、かつモチベーションを高めてやるためには特別な能力が必要だ。モウリーニョの才能はこのあたりに潜んでいると思う。

 監督にとって、選手との対話は重要で不可欠である。
 ここで問題になるのは、自分の気持ちや考えを監督に話すことに慣れているかどうかだが、イタリアではイングランドよりはるかに、監督との対話に喜んで応じる選手が多い。

イタリアでは、選手たちはみな「この目的は何か」ということを知りたがりました。一方イングランドでは、自分が何をやっているかにあまり関心を持たない選手も多いです。
仕方ないので、チームを5つくらいのグループに分けて、個別に彼らの意見を聞いたりもしました。
最初彼らはびっくりしたようで、意見を求めても何を言ったらいいか分からないみたいでした。そのうちこのやり方を受け入れてくれましたけどね。
(エリクソン)

 ここでも、イタリアとイングランドの差がみられる。イタリアにおいて、監督は「監督の採用した戦略システムがどう効果的に機能しているか」「フィジカル面でのトレーニングは効果的か」「監督の指揮下で、どの選手が成長しているか」などで判断される。ここでは、イングランドと違って「情熱的なスピーチ」とか「選手をインスパイア(激励)した」とかいう言葉は登場しない。
 イングランドでは、すべてが擬人化される。新聞でも、監督のキャラクターについて取り上げる記事が多いのはそのせいであり、いかに選手たちをインスパイアできたかどうかで判断される。エリクソンがイングランド代表監督時代に、「情熱がない」とか「肩の力を抜きすぎ」とか非難されたのは、これらの点と無縁ではない。
 静かで、リラックスしていて、情熱がないように見える監督にも有能な監督はいるという考えなど、イングランド人には理解できないのである。

戦略面から監督を評価する人がイングランドにいないというのは当然のことだ。
なぜなら、イングランドのサッカーは戦略としてみな同じことしかやってないからである。
だから、監督同士の差といえば人間としての性格の差だけなのである。
(リッピ)


(この項終わり)



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【次回予告】

第7章 (4)外国人監督に気をつけろ

私のようなヨーロッパチャンピオンでさえ、イングランドに来た当初は、プレミアで指揮を執るに足る能力があることを証明して見せなければならなかった。
であるから、ベンゲルがプレミアへ来た時の苦労など私には想像もつかない。
ベンゲルはヨーロッパチャンピオンでもなかったし、大体日本なんてところからやってきたのだから!
(モウリーニョ)

2008.04.09

第7章 (3)What Makes a Good Manager? その2

 前回分はこちら


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2008.04.08

第7章 (3)What Makes a Good Manager? その1

 前回の続きです。


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2008.04.01

第7章 (2)Sacked Managers: Recycle or Incinerate? その2

 前回の続きです。


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2008.04.01

第7章 (2)Sacked Managers: Recycle or Incinerate? その1



 前回の続きです。


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  1. Huddersfield Town、Wigan Athletic、Crystal Palace、Birmingham City [back]
  2. サウサンプトン、トッテナム、ウルバーハンプトン [back]
2008.03.30

第7章 (1)Getting the bullet

 今こつこつとThe Italian Jobを読んでいますが、おもしろいところだけ抄訳してみることにしました。



 全体としては、ビアリがイタリアとイングランドのサッカーの違いをいろんな角度から比較しています。今回取り上げる第7章は、監督についての話です。

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  1. 現在イングランド代表監督 [back]
  2. 現在アタランタ監督 [back]
  3. 現在ブレシア監督 [back]
  4. お写真などは「おやじの花園」を。http://superblackcats.hp.infoseek.co.jp/oyaji/oyaji/oyajinohanazono.html [back]