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2008.06.30

私以上に盛り上がらなかった人々 ~ユーロの話を書こう、と思ったがやめた。

 WOWWOWでのユーロ2008生中継前後の枠で「Little Britain」をやっていて、全部録画して見たんだけど、この番組について書いている日本人がほとんど全員「これは英国の笑いを分かる人でないと笑えない」と書いていた。
それで私は、改めて「英国の笑いってどんなのだろう」と考えてしまった。

 Little Britainで私が一番好きなエピソード(sketch)が「Fatfighters」なのだが、そのなかに出てくるインド系のおばさまMeeraはいつも、非道なMarjorieにインド訛りをバカにされる。と言っても、それほど訛っているわけではなく、普通に聞いてもちゃんと聞き取れる程度。だが、「移民を差別する鼻持ちならない白人」(でも教養は低く、「You IS fat」とか、chocolateのつづりが書けなくてひそかに笑われたりする)がMarjorieにデフォルメされている。
 そのなかで、MeeraがMarjorieに住所を尋ねられるシーンがあり、英語では「New Malden」と答えている。字幕には「ロンドン」と訳されていたが、これはNew Maldenがどういうところか分かっていないとおもしろくもなんともないシーンである。
 Fatfightersのエピソードだけでない。言い訳しているがどう見てもゲイなMP(議員)が「Kings Crossに行った際…」と弁解しているシーン。日本語ではこれも「ロンドンへ行った際」とか訳されていたと思うが、Kings Crossは確かにロンドンなのだけど、いかがわしいサービスをしてくれる施設が集中していることで有名なので、この地名が出てきただけで「あー、男でも買いに行ったのかな」と察しが付く。でも、それを知らない人には分からない。
 地名に関することばかり取り上げてしまったけど、そのほかには銀行の窓口係がやる気のなさそうな声で「Computer says NO…」と答えるスケッチでは、イギリスではどの銀行でも繰り広げられる「理不尽な扱い」を知らなければ笑えないとか、いろいろある。

 Little Britainの笑いは、有色人種嫌いのおばさまが有色人種の作った食べ物をうっかり食べて、ゲロを吐くといった「これBBCで大丈夫なの?」と不安になるような結構あからさまなものもある。でもたいていは、「これ、笑っていいのかな…」と思うような冗談が多い。
 最近それの真骨頂を見たのが、これ。

イングランドのいないEuro 2008をガーディアンはどう伝えてきたか(tnfk+)

 いちいち毎回取り上げるのも面倒だなと思っていたら、全部まとめてくださってた(笑)
 ユーモアというか、英国人の今回のユーロに対する「やる気のなさ」というか「どーでもええ加減」が端的に現れていて面白い。
 何より、サッカーに関しては英国人である私(すいません)にはとても共感できるのである。

 決勝の様子はこれ
 勝って喜んでるスペイン代表選手、負けてがっかりしているドイツ代表選手、監督、ファンたちの写真など1つもなく、載っている写真(というか絵)はこれだけである。

ラウールだらだら
 これは、ラウールが決勝の日、どんなふうにすごしたかという想像図をテケトーな漫画で表したものである。ラウールもどーでもいい感じで臨んでいたと(笑)1 もしどこかでコメンテーターとして仕事をしていたなら、「奴らがスペインに優勝杯を持ち帰ってくれることを祈っています」とコメントしながら、内心砂をかむような気持ちでいたことは間違いなかろうと。(テレビにトーレス映ってるしね)

 かつ、出場選手リストのところ、
Jaaaa! Michael Ballack spielt!!!!
 と書いてある。訳すとしたら「やった! ミヒャエル・バラックが出たぞお!!!」2てことになるだろうか。
(ドイツ語はかじった程度なんで、間違ってたら直してくださいかめさん)
 ふざけてることこの上なし。
 こんなの、日本で朝日新聞がやるだろうか?3

 きっとこの夏には、英紙は全紙(サンも含め)、運動部の記者を総動員してユーロをあの手この手で取材し、おもしろおかしい記事から感動的な記事で盛り上げ、部数を伸ばそうと思っていたに違いない。
 それが、あの日引き分けでもよかったのにおもっきし負けたことで、すべてはおじゃんである4
 自棄酒を飲んでもばちは当たらないであろう5
 英国内の欧州人相手に書くことだってできただろうが、もうそんな気も起こらないほどどーでもよくなったのである。
 その気持ちはよーく、分かる。
 私の今感じているどーでもええ加減、火を近づけても近づけても赤くならない使いまわしまくった牛角の炭火のような気持ち。彼らのそれは、もっと悲惨だろう。(まあ昨日、宿敵ドイツが負けたので溜飲を下げているかもしれないが)


 私は、人気のある国かどうか、スター選手がいるかどうかでサッカーを見ているわけではない(実際4年前は、ギリシャ優勝に盛り上がったのだから)。
 もーとにかく、イングランドが出ていないだけですべては、終わっていたのである。
 それをガーディアンのどーでもいい記事、まじめな人には「金返せ!」「お前はクオリティペーパーじゃないのか、おまえはサンかデイリー・スターなのか!」と怒られそうな記事に、どうしようもなく共感してしまうのであった。
 ガーディアンは単にふざけたわけではない。そんなふざけた記事を書くことで実は、サッカーを激愛する英国人のどうしようもない空虚感を余さず強烈に報道することに成功したのだといえる。

 このふざけた記事(とプレイリポート)はこんなふうに締めくくられている。

“The European champions… Sppppppaaaaiiiinnnn!” It’s nice to know that needy idiots are let loose on PA systems to spoil presentation ceremonies in Europe as well as at home. Amid the wanton screaming and shouting, the squad, plus Aragones, pick up their medals from Platini… then Casillas hoists the Henri Delaunay Trophy into the sky. At which point a particularly poor firework display starts: a puff of smoke and a few silvery bits fly about, and that’s it. It’s as though somebody has just sneezed into a full ashtray. Anyway, congratulations to Spain, who thoroughly deserved to win both the final and the tournament as a whole. Commiserations, meanwhile, to both Germany and Raul.

 授賞式の花火がしょぼくて「誰かが灰皿に向かってくしゃみをしたような花火」と書いてある。
 「とにかく、おめでとうスペイン」のフレーズにしらじらしいものを感じないわけにはいかない。


  1. 実際はオーストラリアにホリデーに出かけていたとスペインの新聞では書かれているそうです [back]
  2. あ、バラックについては「出すな!!!」と思ってました。だって私はチェルサポなんだもん、怪我したらすぐ休めって思うのは当然 [back]
  3. なんでガーディアンを朝日にたとえたかと言うと、昔会った朝日の記者が英国人の前で「We came from Asahi-Shimbun which is equivalent to the Guardian」と紹介していたからであって私のせいではない。 [back]
  4. もちろん、あの試合だけが原因ではなく、それまでポイントをポロポロ落としていたのがいけなかったのだが [back]
  5. それでなくても飲んだくれてるけどさ [back]
2008.06.30

ユーロ終了

 …というタイトルにした時点で、私の脱力ぶりが分かろうというもの(笑)
 ちょっと書きかけていたこともあったのですが、やめました。 書きました。
 イングランドが出ていないだけで、こんなにも気分が盛り上がらないとは思いませんでしたよ。
 これでバラックが優勝カップを掲げていたならまだしも。全然興味ないスペインかよ。私にとってはまだ、ルーマニアかトルコが優勝したほうが盛り上がったかも。

 チェルシーの選手には、ゆっくり体を休めてリフレッシュしてもらいたいです。
 これからが勝負なので。

2008.06.27

ヒディンク、イングランド代表に感謝

Hiddink: I owe it to England(the sun)

 ヒディンクは、イングランドがクロアチアに負けてくれなかったらロシアはユーロに出場できなかったので、イングランドに感謝しているんだそうです・・・・・・・・・・・・・
 さ、殺意が・・・・(苦笑)

2008.06.24

デコ、今週にもチェルシー移籍か

Phil to land 12m Deco(The Sun)

 サンによると、フェリぽんの最初のお買い物はデコということになるんだそうです。
 契約は今週にも公開され、移籍金は1200万ポンドの見通し。


Ballack’s a Chelsea stayer(The Sun)

 まだユーロのお役目が残っているバラック(31)は、あと数年はこのレベルでプレイを続けて、チェルシーでキャリアを終えるのもありだと思ってるそうです。
 レーマンのように、最後の最後はドイツに戻るのかと思ってたよ。

2008.06.23

ユーロ準々決勝 スペイン対イタリア

後半から試合終了までを見ました。
またしても、録画してたのに途中で起きてしまって。


で、感想。

1 door(8人くらいで守ってたディフェンス陣) 2 lock(ブッフォン)という感じのイタリア。
あのスペインの波状攻撃をよく防いだ。
みんな、次で彼らが来るのを待とうと思って守りに守ったんだと思う。

アッズーリはがんばっていた。
確かに、ここ10年くらいでは一番バランスの取れたメンバーだったかもしれない。


でも、この日は抜けた選手が多すぎた。
いけいけどんどんなエスパーニャを防ぎきるのは難しかった。
いや、防ぎきったのだ。
記録のうえでは、0-0の引き分けなのだから。

PKは運である。
ブッフォンが下手だったわけでも、カシージャスの方が上手かったわけでもない。
この2人の、世界屈指のキーパーによる対決は、第三者にとっては客観的に見ものだった。
どちらもすばらしかった。


イタリアのPKといって多くの人が思い出すのは、ユーロ2000のイタリア対オランダだろう。
ザンブロッタが序盤にレッドを喰らい、10人で延長戦まで闘い、多くの選手の足はつっていた。
神セーブを連発したGKトルドは伝説になった。

この日のブッフォンがトルドに引けをとったかというと、そうじゃないだろう。
サッカーのトーナメントは、結果を出さなければならないから、無理やり出しただけである。
イタリアは破れ、スペインは悪夢から解放された。
私にとっては特に、その命運を分けたものは運以外に見当たらなかった。

もう一度言う。
PKは運である。

ピルロがすごく泣いていたのが哀れだった。
それ引き換え、スペインの守備には疑問が残る。
ファブリガスとか上がったままになっていて、「手を抜くな」と実況に怒られていた。
ダビド・ビジャの瀕死の白鳥ぶりには、つい眉をひそめてしまった。ああいうのはやっぱり興ざめだ。
チェルシー率が0だからだというわけではないが、この日のエスパーニャにはどうしても共感できなかった。
(プジョール以外)
レイナが(いつもはおっさんくさいのに)子供みたいに喜んでアルベロアと抱き合ってる姿は、ほほえましかったけど。


いったい何を書きたいのか分からなくなってきたが、
今日気づいたことがある。
もし決勝が、ロシア対トルコになったら、日本の多くの人々は見る気を失うだろう。
でも、私の興味は特に変わらないと思う。
なぜなら、イングランドが出ていない時点で、私の情熱は十分冷えているからだ。

シーズンオフでチェルシーの試合がない今、私の胃腸は快調である。ハラハラすることがないためだ。
しかし、これはこれでさびしい。
自分の好きな選手がのるかそるかをやっているのを必死に応援して胃が痛くなる、それがないことは悲しいことなのだ。

私はここのところ、毎日必ずつぶやいている。
「うらやましい」と。
もちろん、うらやましいのはユーロに出ている国のことである。

2008.06.22

ユーロ オランダ対ロシア

Netherlands 1-3 Russia (aet)(BBC)

 オランダとロシアのぶっ叩き合い、という感じでハラハラドキドキ。お互い、右手で殴りながら左手で防いでるみたいな危うい均衡で90分たってしまいました。でも、みなさんの感想もそうだと思いますが、オランダのほうが劣勢でした。今までの試合のあの「いけいけどんどん」な勢いはどこへ行ったのかと。いや、もちろんどんどん行ってたんですけど、「こりゃダメだ。負けるのか俺たち」と相手の心を折るような攻撃が影を潜めていたというか…(そのなかで、ファンデルサールは相変わらずすばらしかった)
 だから、最後の5分で追いついたのはそのほうが奇跡だった。ロシアが勝ち抜けたことより、もうファンもあきらめかけていた時間帯に追いついたほうが奇跡だった。

 テクニカルなことは書けないので、私が書くとしたらそういう表現になります。
 とても、残念です。
 4年前のギリシャは、今回はロシアなのかもしれません。

2008.06.21

ユーロ クロアチア対トルコ

 Croatia 1-1 TurkeyでPKでトルコ抜け(見てません)
 クロアチアが勝つと信じていたのにびっくりです。
 PKは、負けじゃないので。あくまで、引き分けだよクロアチア代表のみんなー!!!

 次はドイツ対トルコになるそうで、ある意味この対戦は日本対韓国、とはちょっと違うけど、国民感情の複雑な部分がぶつかり合う試合になりそうです…

 クロアチアのビリッチ監督って、年取ったロビー・ウィリアムズに似てない?

2008.06.21

ポルトガルサッカー協会が苦言

Blues slated over Scolari timing (BBC)

 ポルトガルが負けたのは、リッキーやパウロ、フェリぽんのことを思えば残念だけど、みんなに早く戻ってクラブに合流してもらえるしいいよな、と思っていたら。
 ポルトガルサッカー協会が「ユーロが終わってへんのになんで監督就任を発表したんや。タイミング悪すぎやろ。なんで発表する前に一言いうてくれんかったんや。スコラーリは悪うないけどな」と怒っています。
 きっとそういうこと言われるだろうなと思っておりました…

2008.06.20

ユーロ、決勝トーナメント突入 ポルトガル対ドイツ

 仕事のほうがものすごいことになっていて、ユーロを追いきれていません…録画はしていて、こうやって(笑)夜中に起きて数十分見たりはしているのですが。

 今準々決勝のポルトガル対ドイツが始まりました。
 トンネル内で、バラックがパウロ、リッキーの2人に1人1人素敵な笑顔でハグしてましたね。チェルシーの選手ってそういうところが好きですよ。
 ちなみに選手入場の時かかっている曲はこれです。


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  1. ちなみに薀蓄ですが、エリザベス2世女王陛下はイングランドの女王でもありスコットランドの女王でもあります。ただし、スコットランドにはエリザベスという名前の女王がこれまでいなかったので、スコットランドについては正確な意味では「エリザベス1世」となります。 [back]
2008.06.18

ユーロ8日目 ~ついてるね、ノッてるね。オランイェ。

Netherlands 2-0 Romania(BBC)

 グループステージ勝ち抜けをすでに決めていたオランイェは、イタリアとフランスをいたぶるためだけの試合(笑) 
 スタメンをかなりいじってきましたが(ロッベンとばんぱーしーはプレイ)、それでも余裕の試合振りでした。立場の悪いルーマニアのほうがぎこちなかった。
 フンちゃんのゴールが見れたのもうれしかったです。

 こういう、個性が強く前へ出るタイプの選手の多いチームは、まとまるのが難しいしガタつくとあっという間に崩壊するけど、調子のいいときはあれよあれよという間に高みへ突っ走っていく気がしますね。今のオランダはまさにそれ。


France 0-2 Italy(BBC)

 そしてフランスは崩壊…結局1試合も勝てなかったのかあ…
 リベリーが7分で負傷退場しちゃったみたいで…みんな相当心配そうにしていたそうだし。
 なんとも申し上げようがありません。個人的に応援していた選手だから。

 マケレレ兄さん以下、みんな、早く帰っておいで。スタンフォード・ブリッジに。
 ユーロなんて関係ない仲間はいっぱいいるよ(苦笑)

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